靴のかかとには芯が入っていることをご存知ですか?
ルッチェのオーダーメイドスニーカーでは、基本的に4種類の素材を用いて足の支え方を変えています。
靴のかかとの芯、硬さを変えると何が変わるの?
芯の硬さで変わるのは、履き心地です。
たいていの靴には、下の画像に描いた辺りに芯が入っていますが、普段靴を履いて、かかとの芯の存在を気にしたことはないという方も多いでしょう。
でも中には、かかとの芯の硬さがとっても気になってしまうという人もいらっしゃいます。
どんな目的で硬さを変えるのか、お客様の好みを例に挙げてみます。
- しっかりと支えるために硬さを重視する
- 徐々に足になじんでいく変化を持たせたい
- 踵を固定されたくない
- 扁平足だから土踏まずを支えたい
- 扁平足だけど、土踏まずは自然のままで持ち上げて欲しくない
この他にも人によってさまざまな好みがありますし、足に悩みがある場合などは、必要な条件を考慮して作ります。
素材の硬さ以外でも変える硬さ
素材の厚みや、固定するために使う糊の種類を変えることで同じ素材でも違った目的の硬さにできます。
例えば、形を保つだけの最低限の硬さのかかとを作ってみましょう。
素材は革を使って、薄手の芯を作ると、形を保つためだけの最低限の硬さにすることができます。
その芯を、乾いた後も柔らかい糊を使えば形を保ちつつ柔らかいかかとに仕上がり、乾いた後硬くなる糊を使うと、少し硬いかかとに仕上がります。
かかとの芯はこうやって入ってます
スニーカーではありませんが、普段見ることのないかかとの芯を入れる所を紹介します。
つり込みという工程
かかとの芯を靴に入れるのは、つり込みという工程の最初の作業です。
靴の甲の部分をアッパーと言いますが、左にある茶色いアッパーを、裏返したのが右のアッパーです。
裏返して見えているベージュの革が、足に当たる靴の裏革です。
裏革をめくってかかとの芯を入れる
茶色の表革と、ベージュの裏革の間にかかとの芯が入ります。
ベージュの裏革をめくって、芯を入れます。
画像の芯には糊を塗っていませんが、本当は糊を塗ったものが入ります。
アッパーと一体化
きっちりと奥まで差し込み、アッパーと一体化させます。
芯が入っていることが外からはわからなくなるように加工してあるので、見る事ができるのはこれが最後です。