健康のために毎日歩いている方の話を聞くと、1万歩が一つの目標になっている方が多いのですが、実際には7千歩で十分だという研究があります。
頑張って1日7千歩のウォーキングをしているのに足りないと思ってしまっている多くの方に、7千歩で十分良いのだということを知って欲しいと思ったので、その理由と、私が普段お伝えしていることをまとめました。
1日1万歩の根拠は日本初のあの商品?
1万歩という言葉でパッと思い浮かぶ商品と言えば、歩数計の代名詞ともいえる万歩計でしょう。
この名前は、山佐時計計器株式会社の登録商標で、一般名称は「歩数計」なんですね。
でも、この言葉の響きが耳に残りやすいのは言うまでもありません。
何しろ、スマホに内蔵されている歩数計の事すら「スマホの万歩計」と言ってしまうことがあるくらいです。
その耳になじみやすい万歩計という言葉が、1日の歩く目標を1万歩に設定したという説があります。
体への負荷は1万歩も7千歩も変わらない
アメリカで2000人以上を対象に行われた研究で、毎日7千歩以上ウォーキングした人と、7千歩未満だった人に比べて早期死亡のリスクが低かったという結果が報告されています。
一方で、1万歩のウォーキングを行ったグループが、7千歩歩いたグループと比べて死亡率がさらに下がるということはなかったとしています。
2000人以上の方の運動状態や年2回の生存確認、死亡診断書などの確認を8年から10年にわたって行われたこの研究はとても大変な作業だったことと思います。
「Steps per Day and All-Cause Mortality in Middle-aged Adults in the Coronary Artery Risk Development in Young Adults Study」
1万歩に意味はあるが、無理して1万歩は良くない
このデータで大切なのは、無理して1万歩を歩く必要が無いということだと思います。
日々のウォーキングが7千歩と1万歩に死亡率の大きな違いが無いというデータがあるからと言って、1万歩歩くことに意味がないというわけではありません。
7千歩では物足りないという人もいるでしょうし、1万歩に達成感を得る人もいるでしょう。
よく高齢の方の話を伺うと「毎日7千歩歩いているけれど、1万歩には届かないの」とか「何とか頑張って7千歩だけは歩いているの」など、1万歩に届かないことが悪いかのように受け取っている方もいらっしゃいます。
そういう方にぜひ知ってほしい研究結果です。
実際には7千歩は立派なことで、無理して1万歩を目指す必要はないということですね。
日々の小さな動きも運動の一つ
WHOの「WHO身体活動・座位行動ガイドライン」では、あらゆる年代に週150分から300分の有酸素運動を推奨する一方で「少しの活動でも何もしないよりは良い」「座りっぱなしを無くそう」など、かんたんな運動も積み重ねが大事だという旨の記載があります。
ウォーキングで7千歩となるとちょっと大変だという場合は、一日の動きの合計で7千歩を目指しましょう。
日常のちょっとした動作のたびに私たちは何歩か歩いています。
その積み重ねも合わせてで良いから、7千歩を目指してみて下さい。