街中で歩いている1歳から3歳くらいまでの乳幼児の足元を見ると、その時期に適切な靴を履いていない子が多いと感じます。
子供の靴選びは、足の成長だけでなく、体の成長や体の使い方にも影響を与える重要な要素。
「子供の成長を邪魔しない靴」が、この時期の子供には履かせるべき靴の条件です。
それがどんな靴なのか、解説します。
幼児期の子供の足
子供の足はまだ骨も出来上がっておらず、ぐにゃぐにゃに柔らかい状態です。
体重も軽く、歩き方、走り方も大人とは違います。
ペタペタと足を前に出す歩き方、地面をける力が無いので、ペタペタ歩きの回転を速くする走り方です。
足をたくさん使うことで、脂肪たっぷりでぷよぷよだった足に土踏まずが出来てきますが、だからと言って大人の足とは全然違います。
そんな子供の足に、今履かせている靴は適していると思いますか?
1歳、2歳、3歳頃の幼児に良くない靴の特徴
大人のスニーカーを小さくした幼児用のスニーカーをよく見かけます。
デザイン的にもかわいいし、親子でペアで履けるところも人気があるのは理解できます。
しかしながら、子供の足には良くない特徴にぴったり当てはまる靴が多いです。
どんな理由からなのか、説明しましょう。
アッパーの硬い靴
アッパーというのは、足の甲を覆う部分の事。
アッパーの素材が硬すぎる靴は、柔らかい足にとって良いことはありません。
硬いアッパーと柔らかい足がぶつかった時、ダメージを受けるのがどっちなのか、言うまでもありません。
あなたは、アッパーが硬い靴を履いたことはありますか?
足に当たって痛いなどの、ストレスを与えるくらいに硬いアッパーの靴で歩いたらどうなるでしょう。
歩き方が変になりますよね。
また、素材だけでなく、デザインによっても硬いアッパーになってしまいます。
足の動きの邪魔になるところに補強のパーツがあったり、デザインの切り返しがきていたり、デザインバランス重視で作った結果、足の自由な動きを邪魔しているくつのあまりの多さには驚きます。
靴底の硬い靴
幼児の足に対して靴底の硬すぎる靴が多すぎます。
ほとんど曲がらない靴や、曲がるべきところ以外で曲がる靴がほとんどです。
体重も軽く、それほど多く歩き回ることが無いにもかかわらず、何のためなのか分からない強度が備わっている靴が多く、そのせいで靴底が曲がらない靴が多いのです。
足首が固定されてしまう靴
子供は足元がおぼつかなく当たり前です。
それを固定してしまうのは、成長の妨げでしかありません。
ぐらぐらしながら、そのぐらぐらを制御するために筋肉が働き、全身でその不安定さを補ってバランスをとることで「固有感覚」という感覚が育つのです。
歩くのがヘタだと心配する親御さんがいらっしゃいますが、歩くことが少ないのに歩くことが上手になるはずはありません。
一緒に歩いていますか?
骨格に異常がないのに歩き方が変だと思ったら、たくさん一緒に歩いて、歩く練習を手伝ってあげましょう。
足首を固定する靴が流行っているようですが、私は絶対子供には履かせません。
「子供の成長を邪魔しない」乳幼児に履かせたい靴の特徴
良くない靴の特徴の逆と言ってしまうとそれまでなのですが、良い理由を順に説明していきましょう。
アッパーの柔らかい靴
足を自由に動かせる状態でいるには、アッパーが柔らかい靴でなくてはいけません。
自分の動きたいように動いても、何のストレスもない靴が、子供の成長を邪魔しない、乳幼児の足に適した靴です。
私のオススメは、アサヒシューズの「健康くん」の、B01というタイプ。
健康くんはシリーズですが、この靴ともう一つの靴以外はタイプが違うので、注意しましょう。
靴底の柔らかい靴
靴底が柔らかいと、足にとって曲がって欲しい場所で靴底が曲がってくれます。
体重が軽い幼児では、靴底がかなり柔らかくないと、歩く際に足が自由に動かせません。
この時期の子供の靴底にゴムが貼ってある必要はありません。
この時期の子供の靴底が、そんなに厚みがある必要はありません。
靴底が柔らかく、大人が指でつまんだら折れ曲がる程度の硬さくらいが理想です。
足首を自由に動かせる靴
全身を使ってバランスを取るこの時期、足首を固定することは一見安定しているように思えますが、実際には能力の伸びしろを奪ってしまいます。
始めはぐらぐらしていても、筋力がついて、バランス感覚が養われ、固有感覚が鍛えられることで段々と安定してきます。
足首を自由に動かせるスニーカーか、少し深めでも足首を全く締め付けない健康くんB01のような靴が良いでしょう。
足を守るけれど、裸足のように動ける靴が理想
足と体の成長にふさわしい、乳幼児の靴についてお話しましたが、理想は裸足です。
外傷からは足を守らなくてはいけませんが、過保護になると足の健全な動きの邪魔になってしまいます。
「足をケガからは守るけれど、裸足のように動ける」そんなバランスで素材とデザインが選ばれた靴が、乳幼児期の子供の足にとっては理想的です。
子供の靴のサイズ
靴を選んだら、次はサイズを決めなくてはいけません。
子供に聞いても返事は返ってきませんから、大人が判断してあげるしかありません。
子供の靴サイズの簡単な見分け方がありますので、方法については別の記事で紹介しています。
参考にしてみて下さい。